親知らずが気になる方へ

親知らずとは

親知らずは一般的に17～30歳頃に生えてくることが多く、前歯から数えて8番目の歯のことを指します。「智歯」や「第三大臼歯」とも呼ばれています。

親知らずは永久歯の中で最後に生えてくるため、スペースが足りず横や斜めに傾いて生えたり、骨の中に埋まったまま生えてこないといったケースもあります。そうした親知らずは歯ぐきの炎症を起こしたり、隣の歯までむし歯になる原因になるなど、お口のトラブルになりがちのため抜歯をおすすめしています。

親知らずによるお口のトラブル

むし歯リスクが高まる

斜めに生えていたり、途中までしか生えてこないといった親知らずの場合、歯ブラシがうまく届かず、親知らずと手前の歯（第二大臼歯）の隙間にも汚れが溜まりやすくなってしまうことがあります。親知らずだけでなく隣の歯までむし歯になるケースもあるため、周囲の歯に与える影響も考慮して抜歯をするかどうか判断をする必要があります。

歯肉の炎症（智歯周囲炎）

上記と同様に、正常に生えていない親知らずの場合には、歯と歯肉の間に食べかすやプラーク（歯垢）が溜まりやすい状態にあります。細菌が増殖することで、親知らずの周りの歯肉が炎症するケース（智歯周囲炎）があります。

歯根の吸収が起きる

手前の歯に食い込むように生えている親知らずの場合、その手前の歯の根の部分が溶けてしまう「歯根吸収」という症状を引き起こすケースがあります。歯根吸収が進行すると、親知らずだけでなく手前の歯まで抜歯が必要となる場合があります。

口臭の原因になる

正常に生えていない親知らずの周辺には汚れや細菌がたまりやすく、不衛生になりやすい状態にあります。そうして生じたむし歯や歯周炎が、結果として口臭の原因になってしまうケースがあります。

親知らずを抜歯しなくても
良いケースとは？

• 親知らずが真っ直ぐに生えており、噛み合わせも正常である
• 親知らずが骨に完全に埋まっており他の歯に悪い影響がないと判断できる



当院では患者さんのお口の現状だけでなく、将来的なリスクも考慮しながら、抜歯が必要かどうかの診断をさせていただいております。症状に応じて、専門医療機関とも連携して最適な治療をご提供しておりますので、安心してご相談ください。

抜歯後の注意事項について

• 痛み

痛みには個人差はありますが、多くの場合、抜歯当日の麻酔が切れた後から翌朝にかけてがピークとなります。鎮痛剤をお渡ししますので、無理に我慢せずに服用しましょう。また当院では抜歯後は症状確認のために消毒に来ていただいております。その際、お痛みが強ければ追加で鎮痛剤をお渡しいたしますので、遠慮なくご相談ください。

• 腫れ

歯茎の腫れは痛みより少し遅れてからピークを迎えます。一般的には２～３日でピークになるとされています（個人差があります）。腫れはピークを迎えて徐々にひいていきますが、ひかない場合は歯科医院へご連絡ください。特に内側に腫れる場合は危険なケースがあるため、腫れが長引いたり強いと感じる時は、かかりつけの歯科医院への受診をおすすめします。

• 出血

２０～３０分ほどガーゼを噛んで圧迫止血を行なってください。抜歯直後から翌朝ぐらいまで出血が続く場合がありますが、止まらない場合はご連絡ください。

• 抜歯の穴

抜歯後に歯ぐきを縫い合わせない場合もあり、しばらくすると抜歯した部分の穴の奥にジェル状の黒っぽい固まり（血餅）ができますので、できるだけそれが穴から飛び出さないように注意してください。もし穴に食べ物が入り込んだ場合でも、慌てずに軽くゆすぐ程度にしましょう。

• 神経マヒ

親知らずの根の先端近くの口唇の感覚神経との位置関係により、抜歯後に一時的なマヒが発生する場合がありますが、当院では必要に応じて歯科用CTで３D画像を用いて確認を行なっているため、より安全な抜歯が行えます。

• お食事

抜歯後に出血が完全に止まっていれば、30分後程でお食事は可能です（症状にもよりますので、医師の指導に従ってください）。ただし麻酔でしばらくは温度感覚が麻痺しているため、食べ物の温度には注意が必要です。また、感覚が麻痺しているため誤って頬の内側の肉を噛んでしまうことがあるので、ゆっくりと食べるようにしましょう。

• 喫煙、飲酒

出血が止まりにくくなる、傷の治りが遅くなる場合があるため、抜歯したところが落ち着くまで喫煙や飲酒は控えることをおすすめします。

• お風呂

抜歯当日は体が温まると血行が良くなり、出血しやすくなっているので長湯は控えましょう。シャワー程度で済ませる方が良いでしょう。